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エトランゼのすべて

エトランゼのすべて (星海社FICTIONS)エトランゼのすべて (星海社FICTIONS)
(2011/10/14)
著:森田 季節
イラスト:庭
商品詳細を見る


総合評価:A´
キャラクター:B
構成:B
世界観:B
文体:A´
内容:A´


 新しき京都の青春ストーリー! 非常にオススメです。

 充実した大学生活に憧れ、京都大学に入学した針塚圭介は「京都観察会」なる怪しげなサークルの新歓説明会でミステリアスな美女の「会長」に出会う。そこで僕と会長と不思議なメンバーとの春夏秋冬が始まる。

 キャラクターは、誰もが非常に癖のある人物たちばかり。しかしながら、読み進めるごとに友人のような親しみを与えてくれるキャラクターたちでもありました。また、キャラクターそれぞれ、針塚圭介が会長が中道さんがヒモ島先輩が長月さんが勝原さんが大村が抱えているものが、読者にとって相似形として映るのではないかとも個人的には感じました(そこら辺はエヴァ的ですかね)。また、私としてはドルさんが印象的ですね。全体的に、リアリティを追求したキャラクターたちであったと思えます。

 構成は、主人公の針塚の4月の大学入学から一年を追った形になる非常にわかりやすい流れとなっています。また、一年が過ぎ去る中でも、ミステリ的な仕掛けもしっかり施されており、中々読み込ませてくれました。針塚とともに京大生活を追体験できるといえます。

 世界観は、現実に非常に即していると思いました。京都大学周辺の地理などについては正確ですね。さすが、著者が通っていただけはあり、詳細である。特に、吉田山の肝試しのコース説明なんて、一度行ったことがないとかなりわかりにくいと思いますね。でも、そこに一割の虚構が紛れ込んでいることでよりリアルといえると思いましたね。その匙加減が絶妙と言えました。

 文体は、針塚の一人語りが基本となっています。ただ、この一人語りが普通の大学生活に馴染めない人間の心を的確に描写した文章なんですよねぇ。一人だとつい考えてしまうことなど色々と。心を読まれているのかと思いましたよ、本当に。そして、何か本当に済みません。

 内容は、まさに絶妙。私のような人間にとっては非常に身に染みる物語でした。森見登美彦著『四畳半神話大系』に続く京都の青春ストーリーだと思いました。どこか大学に馴染めず、日々の生活にかすかな疑問を持ちつつも、だからこそ、時には少しばかり見っともなくてももがいてみる。それは奇を衒わず、ひたすらにストレートです。そして、これは単なる針塚圭介の成長物語ではなく、わずかだけれども確かな一歩を踏み出す、わずかな甘酸っぱさとほろ苦さを纏った、読者へのきっかけの物語とも捉えられるような気がします。
 作品のリアルさは表題の裏にある注意書き「著者の大学時代の体験に基づく」ものから来ているのに間違いはないでしょう。恋の勘違い、大学生活の気楽さとそれゆえの苦悩、一人暮らしの寂しさ、仲間との交流など、まさにこの小説に『青春』が詰まっていると感じました。もう、最後の辺りなんて、名言だらけですよ。「エトランゼ」の使い方が途中と最後で変わっているのも注目です。未来は誰にもわからない、だからこそ人は歩んでいけるのです。高校生および大学生には読んで欲しいですね、特に京都在住の方は。また、イラストについても庭さんが良い味付けを加えてくれていると思います。

 個人的に、非常に悶えさせてもらいました。
 あと、書き下ろし特典ペーパー『エトランゼのごじつ』について一言、ちくしょー!
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