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中二病でも恋がしたい!

中二病でも恋がしたい!
 著:虎虎
 イラスト:逢坂望美



総合評価:C´
キャラクター:C´
構成:C´
世界観:C´
文体:C
内容:C´

 うーん……かなり微妙でした。

 第一回京都アニメーション大賞小説部門奨励賞受賞作『中二病でも恋がしたい!』を加筆・修正。KAエスマ文庫より刊行。

 元中二病だった俺こと、富樫勇太は中学卒業と同時に中二病も卒業した。順風満帆な高校ライフを満喫中の送っていたが、事件は起こった。その事件をきっかけに現在進行形で中二病感染者の小鳥遊六花と強制的に契約を結ばされてしまう。それから、六花と過ごす日々が始まった。

 キャラクターは、全体的に掘り下げが足りず残念。皆何かしらの過去の事情を抱えているのに、それをほのめかした程度で、まったく表に出てこずに終わってしまった。伏線の未消化が多すぎる。心理描写もまったく足りず、キャラクターへの感情移入が出来にくい。そのため、シリアスシーンや最後の盛り上げがまったく機能していないように見受けられる。過去についての言及があったら、良かったと思うのだが。
 主人公の富樫勇太は、過去中二病を患い傷を負い、高校生活を楽しむべく中二病をやめる。心配性で教育熱心な面もある。元中二病という設定だけれど、屋上で中二病的セリフ叫んだり、学校に『闇』の文字が入ったTシャツを着てきたりしている時点で十分現役の中二病だと思います。まぁ、スペックなどは基本的な男子高校生で、平凡ですね。ヒロインの小鳥遊六花は、邪気真眼の使い手で現役中二病感染者。おバカで残念な子。よく設定をミスしている。裁縫は得意。最後の展開を経ても、ヒロインがまったく成長というか変化していないんですが……。家族絡みで何やら事情を抱えているようであるが、詳細は不明。あと、眼帯の下の邪気真眼は結局本物なの?
 主人公の親友にして女子好きの変態風紀委員、一色誠。いい奴ではある。勇太たちの学級委員で中二病を毛嫌いする美少女、丹生谷森夏。本性はドS。お約束ないい人ではあるんだけど、結局物語に積極的に絡んでこなかったのが残念。最初のフラグっぽいものが立ったのは何だったんだ。あと、過去もほのめかされているけど、結局明かされていないし。勇太たちのクラス担任の新任教師の九十九七瀬。愛称はナナちゃん。いい先生なのだろうけど、何かズレている気が。勇太の妹の5歳児、夢葉。早くも中二病の気がある。勇太たちのクラスの美少女、巫部風鈴。丹生谷とともに過去に何かあるようだが、特に語られることはなし。勇太の中学時代の中二病の親友、七宮。詳細は不明。などがいる。

 構成は、数学のテストが返却された日から追試が行なわれるまでの十日間の日々が主人公視点で綴られている。出会い、勉強の日々、クラスでの遠足など。正直、日々の出来事を列挙しているだけなので、捻りはまったくなし。最後まで特に事件らしい事件もなく、終わってしまった感じで、残念。期間が短いのも原因の一つではないかと考える。非常に単調でもある。過去話やシリアス、コメディなどもっと上手く活用して盛り上げられたのではないかと思う。あと、特記するような事件も起きていないため、オチが弱い。

 世界観は、出来るだけ現実に即して作られているようである。ただ、その世界観も主人公の周りだけで完結してしまい、ほとんど紹介がなされていないのが残念である。また、オリジナル要素がほとんど見受けられないのも残念といえるかもしれない。オタク的なパロディが作品内に多くはないが、幾つか見られる。中二病設定ももっと全力展開しても良かったと思う。高校一年生らしいといえば、そうかもしれないが。六花のようなおバカなキャラも入学できるということはあんまり進学校じゃないのかしらん。学校も自由な校風であるようだが、カオスな内情がチラリと見えただけである。中二病はもう一般人にも広まっている言葉ではないかと個人的に思っています。遠足内で登場する「サイクルスポーツセンター」は著者が大阪出身なので関西サイクルスポーツセンターがモデルなのだろうか。あとは個人的な疑問だが、数学Aの範囲に確率はないような、そして担任のナナちゃんが六花の事情を把握してないということはありえないと思うのが。

 文体は、普通。ただ、単調なので、もっと過激にやっても良かったのではないかと考える。それとどうも全体的にギャグが滑っている。

 内容は、中途半端。もっと中二病全開のコメディにするなり、六花とのいちゃいちゃラブコメにするなり、キャラクターの過去シーンを掘り下げたシリアス込みの青春劇に仕上げるなり、色々と出来たと思う。伏線だけ大量に張って、抱え込んだまま終わってしまっている。特に最後のオチは結局、逃げなのではないかとも感じられる。別に主人公やヒロインが考えた上で「今のままでいい」という結論を出したのではなく、今のままでもいいじゃないかと半ば開き直る形で終わってしまっている。周りのキャラクターたちも何故だが簡単に受け入れてしまっているし。作品として、ここが魅力・オリジナルであるという推しがないのも要因なのかもしれない。もっと物語を掘り込めたという可能性があっただけに、残念であった。
 作品としてまだまだ未熟すぎるといえるかもしれない。
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